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ある受講生の例~出社拒否症の原因はどこにあったか

みなさん、はじめまして。"かず"です。
神戸メンタルサービスへ来て約4ヶ月の一人の受講生です。
素直に、現在までのプロセスを書いてみようかと思います。

 

●ここへきた理由

 

私がここへ来た理由は、一言で言うと、上司との軋轢でした。
ちょっと長くなりますけど・・・・

上司は、人間的には尊敬すべき人で、悪い人でもないということは重々、よくわかっています。また、仕事には厳しい人ですが、それについても別に、文句を言いたいわけではありません。
ところが、私には仕事の上でのプレッシャーだけでなく、別のプレッシャーがいつも感じられまして、自分でもそれが何なのかよくわからないままに、ずっと我慢をしてきました。色々と自分なりにも考えました。
『なぜこんなにしんどいのかな』
って。

上司は、よく感情丸出しで、ものを言うことがありまして、それがどうも、自分の感に障るようだ、ということがようやく分かったんですが、分かっていても不思議なことに何故か、これが割り切れないんです。
仕事が忙しくなってくると、当然、感情的になる場面が多くなりますから、よけいに爆弾を食らう頻度が高くなります。だんだん会社へ行くのが、いやになってきて、
『風邪です』
と嘘を言って、休むこともしました。
『このままでは、だめになる。でも、どうしたらいいのかわからない』
と、もだえていました。
でもあるとき、自分の側に原因があるんじゃないか、と気がつきました。

私と同じようにその上司について、すごく煙たいと思う人は多くいるんですが、逆に、あまり気にならない人もいるんです。
私は、
『相性の問題なのかなあ、"反りが合わない"って、まさにこのことなんだろうなあ』
と思っていたんですが、またまた何十回めかに感情爆弾を食らって、
『何とかならんのかいっ』、
ていつもと同じ思いをしたときにふっ、と出てきました。
それで、心理学なるものをちょっと勉強してみようかな、なにか分かるかな、と思ったわけです。

 

●わかったこと

 

で、来てみて4ヶ月、本当にいろいろ気づかされました。
上記問題に関していえば、いまの段階で、私が教えられた、気づかされたのは

◆私が、私自身に "感情的に怒りを出すこと" を許していない。
したがって、怒りの感情を丸出しにしてくる人を許せない。

◆上司自身が、"義務感" で仕事をしている。(これは本人から聞きました。)
したがって、部下への指示にも(本人は意識していないが)態度にそれが出る。
部下は(これまた本人は意識していないが)"義務感" だけで追い立てられながら仕事をするので、遅かれ早かれ「燃えつき」てしまう。

ということです。1番目は特に私自身の側に問題があります。

 

●なぜ、 "怒りを出すこと" を許していないのか。

 

去年の12月のヒーリングワークのときに、私のセッションをして頂きまして、原因が父親から来ている、ということが分かりました。

私が小さいときの、私から見た父親っていうのは、普段は優しくてとってもいいお父さんなんだけど、怒るとむっちゃくちゃ恐い。
だから、父親を怒らさないように、萎縮して、いい子になっていた、というのが今思う、子供の頃の私であったような気がします。
で、それがずっと続いてきて、そのうち、
『なんで、そんなに怒るんかいな。』
という思いが出てきて、理不尽に怒られる事に対して、だんだん怒りが徐々に積もっていたようです。(そして、人の感情的な発言に対して、理解できない場合、なぜ、なぜ、って考える癖もついていったようです。)

で、あるとき(高校生ぐらいだったかな)、ついに、父親が怒りだしたところで、
『なんでいっつも、そうやねん!(なんでいつもそのように瞬間湯沸かし器みたいに怒りだすねん)
だれもそんなん、ゆうてへんやないかっ!! (自分はお父さんに怒られるようなことは、なんにも言うてへんぞっ)』
って、爆発してしまいました。
(今でも自分の言った言葉をそのまま覚えていますので、自分にとっては、かなりの出来事であったようです。)

そうすると、父親はなにやら、むにゃむにゃと言いましたが、反撃はありませんでした。

その後は、父親は前のように理不尽に怒ることはなくなりまして、逆になんだか私に対して非常に気を遣っている、という風に私には感じられるようになりました。
私の方も同じように父親の心を傷つけないように、気を遣ってきましたけれど。
で、私としては昔と違って、自分の思ったことも素直に父親と話し合うことができるし、非常にいい関係になっていて何も問題はない、と思っていたんです。

ところが、平さんに分析していただいたところ自分の中で感情的に怒る父親を許していない、また感情的に怒る父親を潰してしまった、という自分を許していない、したがって、自分自身が、感情的に怒るということを禁じている、と指摘をうけました。
大当たりのようでした。

で、これを乗り越えるためには、このことについて父親と話をするしかなかったわけです。

 

●その後、どうなったか

 

正月休みに、思い切って父親と話をしました。(話す前にはもちろん、自分の中でかなり葛藤がありました。)でも、話して肩の力が抜けた感じです。
その後は、何でも話せる、話しても大丈夫、という安心感、信頼感が底にあるためか、非常に楽になっています。

自分の中の"怒り" に対して完全に許すことができたのかどうかは、まだ、わかりません。でも、ひとつ前に進めたかな、という気持ちは悪いものではありません。
これから、まだまだ、どんな感情がでてくるのかわかりませんが、ひとつずつ前向きに進んでいきたいな、というところでしょうか。
目先の問題の奥には、自分が思いもしないことが隠れていることがわかりました。奥が深いですね。

 

●もうひとつの原因 "義務感" から抜けるには

 

もう一つの原因 "義務感" からくる "燃えつき"。これについては "楽しむ" こと。これがひとつの方法のようです。(他の方法もあるのかもしれませんが、私はぞんじません。)

『何言ってんの。サラリーマンで給料をもらっている以上、仕事が楽しいわけないでしょっ。』
という声が聞こえてきそうです。そうです、普通、仕事というのは楽しいものではないはずです。
でも、 仕事を "させられている" という意識でいやいや仕事をするのではなく、"楽しもう" という意識でいちど取り組んでみてはいかがでしょうか。

そうすると、どんな仕事でも、工夫の余地がありますし、それによって効率が上がったりすると、だれもほめてくれなくても、 "達成感"を感じることができて、それが一層やる気のエネルギーになったりします。ましてや、それが実績・業績に結びついたら最高ですね。
一度には出来ませんので、すこしずつやってみましょう。 (私もいま、少しずつやっているつもりです。)

『そんなもん、いちいちやってたら、きりがないわい。寝る時間がなくなってしまうやないか。でけへん。』
これも、わかります。今の私は時々、ここにはまります。で、ほどほどのところで、誤魔化してしまいます。
でも、これも平さんの言葉があります。

『"できない"の95パーセントは"できない"のではなくて、"やりたくない"んです。』

どうですか、なんだか耳が痛くないですか。
私は、これを思い出すと、なんだか恥ずかしくなります。
で、何故か今のところ
『何故やりたくないんだろう?』
とはあまり考えません。(恥ずかしい理由だから無意識的に避けているような気がします。)

耳の痛くない人は・・・・・・私には、わかりません。ご自分でお考え下さるか、平さんに聞いて下さい。(だんだんと投げやり?になってきました)

 

●ひとりで悩んでいる方への提案

 

自分の人生だから自分で考えて障害を乗り越えていく、というのも、もちろん一つの考え方で立派です。でも、感情に関する問題は、やはりひとりで考えるより専門家に任せた方が、楽ですし、速いと思います。 数学や物理の法則のように、感情の感じ方にもパターンがあるようですから。

"感情"の科目なんて学校では習いませんでしたし、ひとりで考えるのは、数学を知らない小学生が方程式を解こうとするのと同じぐらい難しいと思います。
勇気は要ると思いますが、ひとりで "もだえている" 人は、是非いちど腕のいい専門家に相談してみることをお勧めします。

私の場合は、ここへ来ることを決めたときに、
『自分は非常に情けない』
という思いがありました。でも、
『もうこれ以上はいやだっ』
というところまで来ていましたので踏ん切りがつきました。そして、来てみて決して恥ずかしいことではない、ということもわかりましたよ。

皆さんも、自分が幸せになるために、勇気を出してみませんか。

 

●編集後記 or あとがき or らくがき etc.....

 

今回は北端さんに書くチャンスを頂きまして、チャレンジしてみました。これを読んで、『よしっ』、と勇気を出して下さる方がいたらうれしく思います。

私は "コミュニケーション" が大の苦手なんですが、セッションでは、それも思いっきりばれてしまいました。
本当に、平さんは、なぜわかるんでしょうか。(心理学は、つくづく奥が深い。)
それにしても、北端さん、よく毎週こんなの書いていて疲れませんねえ、感心します。やはり、"楽しむ"ためにやっておられるからこそ、続くんだと思います。素晴らしいことですね。

私の父親も、『太く、長く、楽しく』をモットーに60才を超えた今でも、ばりばり仕事をしている人間です。
『何事も楽しむ』ということをまさに体得して実践しています。(誰に教えてもらったわけでもないのに、というところがまたすごいところです。) なにしろ『楽しむ』ための努力が、並ではありません。
そして、『とてもかなわないなあ』 といつも思ってしまいますが、少しでも、近づきたいという思いもあります。

最後まで読んで下さった皆さん、ありがとうございました。
今年は、皆さんと一緒に、より前向きに進んでいきたいですね。


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