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質問職場の困ったサン
3年ほど前に新規オープンしたホテルのフロントで働いています。
仕事としてはいろいろありますが、その日の最後に次の日の部屋割をします。その際、次の朝、清掃の人に渡す昨日の分のお掃除表があるのですが(部屋に対しての人数を書いてある)、たまに人数間違いをすることがあります。確かに間違うことは清掃の人に迷惑を
かけることになるので申し訳ないと思っていますが、
ただそのオバサンはちょっとした間違ったことに対してでもものすごい剣幕で吠えたててきます。(彼女は旧館からの引き継ぎでこちらの新館で働いています。かなりの古株ではあります。)

先日も内線に出ると受話器を離さないとならないくらい大声で吠えたててきました。すいませんと謝っても、お前わざとしてるんと違うんか?誤ったたらすむと思ってるやろ・・。ニタニタ笑いながら謝りおって(私は仕事柄笑顔がモットーですので・・)と口汚く罵り大声で怒鳴りながら人を責めるんです。

とにかくどのスタッフに対しても大声で怒鳴る、罵倒する、ギャンギャン喚く・・。どうして普通に受け答えができないのかと不思議です。いつも苦虫を噛み潰したような顔をしています。そのくせ社長に対してはネコ撫で声で素直らしいです。

万が一また間違って彼女の罵倒する声を想像すると頭が重くなってきます。顔を見るのも嫌悪感を感じるようになってきています。なんだか彼女の声になにかを潰されそうな気がします。ストレスを感じます。

どうすれば彼女にうまく接することが出来るでしょうか?あるいは何が彼女をそうさせているのでしょうか?
私も年齢的に新しい仕事を探すのも難しいし億劫になっていますので、ここであとしばらく頑張らないといけない状況ですのでこういった状況は辛いです。

すすきさん

回答 カウンセラー: 大谷常緑
すすきさん、こんにちは。
ご相談を担当させて頂く大谷です。
よろしくお願いします。

ご相談の職場の困ったサンは、本当に困ったサンですね。
すすきさんをはじめとして他の皆さんも、気持ちよく仕事をされようと思っておられるのに、職場の困ったサンと接すると気分が悪くなりますね。彼女と接する事がとても怖くなっておられるかも知れませんね。

さて、ではどうして彼女はそんな振る舞いをするのかからお話ししていきましょう。

誰かにガミガミ言う時、そんな時は誰しも心に余裕が無い時ですね。
「あー今日は気分爽快!さて誰かに文句を言ってやろうか」なんていう人は、まぁいないものです。
彼女は普段から、心に余裕がない人なのだなぁという事を先ず理解してください。

では、彼女はどうして心に余裕が無いかという事を考えてみたいと思います。
彼女の、みなさんに接する態度の一つに、「ちょっとした間違ったことに対してでもものすごい剣幕で吠えたててきます。」というのがありますね。彼女は、間違いに対してとても厳しい態度をとる、言い換えれば、間違いに対して非常に敏感になっているわけです。

では、どんな時に我々は何かに対して敏感になるのかを考えてみましょう。

例えば、Aさんは、Bさんと会うために、ある決まった時刻に発車する電車に乗らなければいけないと思ってみてください。

先ずは、十分に余裕がある時間に家を出たとします。そんな時には時間をほとんど気にすることなく駅に向かいます。場合によっては、立ち止まり道端の花を見て、季節の移ろいを感じたりするかもしれません。余裕綽々ですね。

しかし、間に合うかどうか本当にギリギリの時間にAさんが家を出たとします。そんなときは、何度も何度も時計を見たり、信号が早く変わらないかとイライラしたり、場合によっては駆けたりするかもしれません。そんな時は時間をとても気にします。時間にとても敏感になります。

この例から、Aさんは、「電車に乗り遅れそうな自分」を感じたときに、「遅れてはいけない」と、遅れることと直接結びつく「時間」に敏感に反応するのですね。そして、遅れまいと一生懸命頑張るのです。
電車に乗り遅れそうな自分→遅れてはいけない→時間に敏感になるという構図です。

これを職場の困ったサンの行動に当てはめると、「間違ってしまいそうな自分」を感じて、「間違ってはいけない」と「間違うこと」に敏感に反応するのですね。そして間違えないように一生懸命頑張るのです。
間違ってしまいそうな自分→間違ってはいけない→間違いに敏感になるという構図になります。

このことから、職場の困ったサンの心のどこかに、間違ってしまいそうな自分を感じ、間違わないように一生懸命頑張っていることがわかります。
ただ、結果として彼女が間違わないかどうかは、別です。そう頑張っているのです。

さて、先の例を続けましょう。
Aさんは必死の思いで予定どおりの電車に飛び乗り、Bさんとの待ち合わせ場所に遅れることなく到着したとします。ところが、時間になってもBさんは来なかったとします。

やがて、少し遅れて「やぁ、やぁ、ごめん。電車1本乗り過ごしちゃって」とBさんが笑顔で待ち合わせ場所に到着したとします。
さて、AさんはBさんにどんな行動をとるでしょうか?

遅れないように頑張って電車に飛び乗ってきたBさんは、不機嫌な顔つきで「なんで遅れて来るのよ!」と言うかもしれません。あるいは、言わないにしても、心のどこかで少しはそう思うのではないでしょうか?「私が、遅れてはいけないとこんなに一生懸命頑張って来たのに、あなたは涼しい顔して何よ」という心境です。

これを職場の困ったサンに置き換えてみると、
「間違ってはいけないと頑張っているのに、間違えるあなたは何よ!しかも笑顔で」という事になります。
このように、人は、自分が一生懸命頑張っていることや我慢していることを、人が平気で踏みにじるような行動をとったときに、怒ります。

さて、では職場の困ったサンはどうして間違ってはいけないと思うようになったのでしょうか?間違えることに、どうして敏感になってしまったのでしょうか?
これは、職場の困ったサンが持っている心の癖に原因があります。
「お前わざとしてるんと違うんか?謝ったらすむと思ってるやろ・・。」との彼女の発言にそれが顕著に出ています。

この発言は、「自分は馬鹿にされているのではないか?」と彼女が感じているように受け取れますね。そこに彼女の意識があるということは、「馬鹿にされるような自分」を心のどこかで感じている事になります。人間は、自分自身が意識していない発言はしないものです。

馬鹿にされるような自分を感じている彼女は、駄目な自分を感じて、それを常に責めている事になります。彼女自身の自己評価がとても低いという事になります。自分を自分で認めてあげられないのですね。

人間は、誰しも駄目な自分を他人に見せたくないものです。そんな時には、それがバレないように、守ろうとします。

彼女の中では、間違わないように(あるいは他人に迷惑をかけないように)しないと、駄目な自分がバレてしまうと思っているようです。バレないようにするためには・・・そうですね、いつも臨戦態勢で気を張っていなくてはならないですね。いつも、あれは大丈夫か、これは大丈夫か、と気になり、ちょっとした事でも「失敗した」と思います。
これが、彼女の心に余裕のない状態を作り出している正体です。

ところで、自己評価が低い人というのは、自分では自分に勝手にOKを出すことができませんから、誰かにOKをもらいたいという気持ちが働きます。誰かからOKをもらった時にはじめて自分でも自分にOKを出すことができます。


「そのくせ社長に対してはネコ撫で声で素直らしいです。」との事ですが、それは、彼女が社長をOKを出す相手として見ているからです。OKを出してもらう相手に対しては、「よい子」でいないとOKがもらえないですからね。
彼女の目から見れば、すすきさんをはじめとする従業員のみなさんは、競争相手になります。そして、社長が認める存在です。
これは、おそらく、職場の困ったサンの子供の頃の環境や感情が影響しているのではないかと思います。

さて、ここまでが職場の困ったサンの振る舞いについてですが、まとめてみますと、
・彼女は、自分を駄目だと感じており、自己評価が低い。
・彼女は、駄目な自分を隠すために、自身が間違いをしないように頑張っている。
・彼女は、駄目な自分を隠すために、いつも気を張っており、心に余裕がない。
・彼女は、間違いをしないように頑張っているので、人の間違いにも厳しい。
・彼女は、自分にOKが出せないので、誰かからOKを出してもらいたい。
・彼女は、社長からOKを出されたいと思っている。
となります。

さて、では、すすきさんがどのように彼女に対応すればいいかを考えましょう。

先ず第1に、この問題は例え部屋割りの間違いがあったとしても、すすきさんの問題ではなく、彼女の問題だときちんと認識する事です。すすきさんは、心のどこかで「自分にも非がある」と自分を責める気持ちをお持ちになっているようです。しかし、人間のする事ですから、間違いがあって当然なのです。人間は神様ではありませんので、間違えて当然です。間違わない為の努力はされているのですから、その事に自信を持ってください。

次に、これは、すすきさんの「選択」になりますが、快適な環境で仕事をするために、彼女と接していくと決めることです。

腹をくくることです。

これはとても重要です。腹をくくっておかないと、せっかくやろうとしていることが挫折して、目的が果たせません。腹をくくるためには、それを義務的にやらされたとか、それしか選択肢が無かったと思わないで、それを自分で選択したとはっきりと思ってください。

そして第3番目には、おそらく、すすきさんがやりたくないことの一つではないかと思いますが、彼女の価値を認めて、伝えてあげることです。
例えば、「○○してくれてありがとう」「○○してくれて助かります」「××は素敵ですね」と、彼女のいいところを見つけて、それを伝えてあげてください。
人間、誰しも、必ず良い部分がいくつもあります。それを見つけて伝えてあげる事です。

彼女の行動は、自己評価が低いことから出てきているのですから、彼女の自己評価を上げることが、問題解決につながります。そして、彼女は、自分でOKを出せないのですから、誰かがOKを出してあげる必要があるのです。
最初は、彼女が怒り出すかもしれません。

でもそれは、恥ずかしさから出てくる怒りです。
彼女の良い部分を伝え続けると、そのうちに少なくともすすきさんに対する態度が変わってきます。めげずに、伝え続けてあげてください。
その為には、2番目の「腹をくくる」という事が必要になってきます。

さて、最後に、すすきさん自身の事で少し気になる点を書きます。
「私も年齢的に新しい仕事を探すのも難しいし億劫になっていますので、ここであとしばらく頑張らないといけない状況ですのでこういった状況は辛いです。」との事ですが、この気持ちがすすきさんに追い詰められた感覚を与え、苦しめています。

人間は、誰しも選択肢がない状況に自分を追い詰めてしまうと苦しいものです。本当にこのままの状態を続けるしか選択肢は無いのでしょうか?
私には、すすきさんが持っておられるルールや観念で多くの選択肢を見えなくされている気がします。具体的には、「難しい」といっておられますが転職に少なくともチャレンジすることは可能でしょうし、新館と旧館があるのであれば、旧館への配置換えを希望する方法もあるかもしれません。0ではない色々な可能性がある中で、今の状況を選んでいると認識されると、すすきさんのお気持ちも少し楽になるような気がします。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。


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